青年実業家が暖かいコートに身を包み、高級外車に乗っているとき、浮浪者は寒さに震え、ダンボールで寝てた。青年実業家は浮浪者を見て「なんて辛そうな生活をしているのだろう、金が無ければ家に住むこともできない。もっと金を稼がなければ」と思った。浮浪者も青年実業家を見て、同時に思った。「金に使わされて辛そうだ。金のために働いてまるで金の奴隷じゃないか。オレはどこでも生きていける。金持ちにならなくてよかった」と。
金があるのが幸せなのか、不幸せなのか。
金が無くても生きていけるのが幸せなのか、不幸せなのか。
それは誰もわからないし、自分で決めるしかない。
明日、浮浪者になっても生きてゆけるか。そういう強さもあるということだ。