Kaz Works

テクノロジーは人に寄り添ってこそ意味があるらしい

愛想振り撒きハナちゃん

その子は誰にでも愛想を振りまく可愛らしい女の子でした。赤いリボンが素敵な可愛い可愛いハナちゃん。朝起きると太陽に挨拶をします。

「太陽さん、おはよう。今日も輝いてくれてうれしいわ」

パパとママにもおはようのキッスをして、庭に咲いているハイビスカスに水をあげます。

「ハイビスカスさん、たっぷりと水を飲みなさいな。きっと綺麗な花を咲かせるでしょう」

みんながハナちゃんが大好きでハナちゃんもみんなが大好きです。そうやって毎日楽しくワイワイと過ごしていました。仲良くするのがハナちゃんのモットーなのです。ある日のことでした。山にピクニックへ行ったハナちゃんは山頂で醜い老婆に出会いました。歯は抜け落ちて、髪も乱れ、真っ黒な頭巾を被り、汚いスカートを引きずってました。正直のところハナちゃんは関わりたくないと思いました。もしかしたら魔女かもしれない。であるならどんな災難が待っているでしょう?街では魔女が呪いをかけると噂をしているからです。

「もしもしおじょうちゃん」

「は、はい!なんでしょう」

その老婆はヒッヒッヒと下品な笑いをうかべてハナちゃんに近づきました。まるで覆い被さるかのように迫ってくるので、はなちゃんはとっさに両手で突き放そうとしました。薬と加齢臭が混じった嫌な匂いがしたので、ハナちゃんはとっさに鼻をつまみました。