Kaz Works

テクノロジーは人に寄り添ってこそ意味があるらしい

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

続・羅生門

さて、老婆の袈裟をうばった男であるが、それから北へ北へと流れることになる。男の故郷への旅であった。男は、そこで死ぬつもりであった。 彼はどうでもよくなっていた。自暴自棄である。人生もこの世も全て。 思えば彼の人生は病と戦ばかりであった。人が…

闇を歩く

白い銀色の山が、容赦無く顔を身体を攻撃し、これでもかと、体温を奪って行く、真っ白な息が、漆黒の闇に、はあはあと浮かび上がっては消えて行く。深呼吸するとマイナス0度の空気がこれでもかと肺をいじめてくる。 ザクザクと歩こうとするが、新雪が歩行を…

宇宙ステーション・ワークスより

ここは地球からはるか何光年も離れた場所だ。宇宙ステーション「ワークス」は1000人の人間の居住空間として国連が建造したコロニーである。理化学研究所とネットステーション社(以下、ネ社)が共同開発し、日本の宇宙省が運営している。が、ここには現…

死について僕たちが考えなければならないこと

この記事で取り扱うこと Cはすでに死んでいる。生きているとは「望むことができること、昨日の自分と今の自分が一緒であるということ。」 脳のアップデートが可能で、別の体に能を移植することができれば それは なぜ死ぬことが悪なのか? 望むことができな…

それは脆く弱い基盤の上を

この世から消えるものは全て美しい、と始まる小説はなんだったかもう忘れてしまった。しかし、その言葉に表現するように、この世から消えようとするものは美しい。民族の繁栄より国家の滅亡を、大企業の東証一部上場より、倒産の時の社長の会見を、結婚より…

取るに足らぬ、つまらぬ人生

恥の多い人生を歩いてきました。思えば人の顔色ばかり伺って、言いたいことも、やりたいことも言えない、そんな平凡な人生を送ってきたような気がします。生まれは京都で、育ちは埼玉、取るに足らぬどこにでもある経歴で、ささやかな一戸建てと妻と一匹の犬…