Kaz Works

テクノロジーは人に寄り添ってこそ意味があるらしい

猿と猪

「生も死も表裏一体だ、どちらが欠けても成立しない光と陰のようなものだ」

「僕は死ぬのが怖いです、死を痛みをどう避けていけばいいかを考えてしまう。時々、夜ねれない時に死ぬ時の風景を考えることがあります。だんだんと意識が遠のいて視界がぼやけるのです。自分が消えるんです」

「死に飲みこまれてはならない。死を認めるのだ。動物も人間も全てが死へと向かっている。生きるとは死ぬことに向かうこととも言い換えることができるかもしれぬ。御覧なさい。草木が猪が狐が生を謳歌してるでしょう。今をしっかりと生きている。将来のことを不安に生きてるように思えますか?花が木が猿が鹿が、そのすべてが生を謳歌しているのです、たったいまこの星で」


外はまさに小春日和といった感じで彼が言う猿も猪も見当たらなかったが、彼には、多分、見えるのだろう。