売れないミュージャンがくだをまく、新宿の焼き鳥屋で、黒ホッピーを流し込む。政治、シーン、レーベルが気にくわない。タトゥー掘ることの何が悪いのかと息巻いた。
売春婦、ホスト、外人観光客、浮浪者がそれこそごった煮のように新宿歌舞伎町を闊歩している。ネオンの光が痛い。鶏皮ポン酢を頬張り、スポニチを読んだ。いつもの時間だ。やることがない、行きたいとこもない。旅行、音楽、女、全部興味がなくなってきた。
死のうかな
つぶやいてみたが居酒屋の亭主が不思議な顔をするだけだ
あー、つまらんつまらんとメールを書いた
誰にあてるわけでもない
ほんと死のうかな
何のために生きてるのか
わからないまま終わる
そんなのは嫌だ
恐れないで涙
だから僕は行くんだどこまでも
ヒーローに尋ねてもわからないおれはどこにいくんだと、甲州街道を歩く歩くどこまでも。深夜2時なのにこの街は人で溢れている。まるで生きていることを謳歌しているように、酒に酔い、暴れ、吐いている。これが世界か。性は乱れ、子は生まれる、人類は続く。
ぶつぶつと物語の始まりの構想を浮かべてみた。