Kaz Works

テクノロジーは人に寄り添ってこそ意味があるらしい

サイコプラス小説版

サイコプラス小説版

09_サイコプラスと緑色の関連性についての考察② 「行きなさいよ」 聞き覚えのある声はやはり、水の森ちゃんだった。後ろには東田とセンパイの姿も見える。ということは転校生との会話も全て聞いていたのだろうか。 「だって、二年間アメリカだよ?知らない場…

サイコプラス(小説版)

09_サイコプラスと緑色の関連性についての考察① あの日、あの時、あの場所で水の森ちゃんと出会ってからすでに半年以上が経過したと思う。サイコプラスと出会い、いくつかの奇妙な出来事を経験して、オレはずいぶんと図太くなった。まるで人生の大半がこの半…

サイコプラス(小説版)

08_幽体離脱 昼間のタヌキ山公園はのんびりして時間がゆったり過ぎてゆく。深夜とは違った空気、人、太陽、そして何よりも何よりも光合成、木々が花が生命を謳歌しているように思える。オレのこの緑もあるいは光合成するためにあるのだろうか、とにかく日差…

サイコプラス(小説版)

06_運の調節② 今、オレは非常に緊張している。なぜならばこれから他人の家に忍び込むからだ。黒い頭巾に黒いTシャツ、そしてズボン、盗人のスタイルとしては100点満点だと思う。水の森ちゃんは、元カレの一太郎を助けるつもりだ。ゲームの月子に洗脳され…

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05_運の調節① カビ臭い匂い、きらびやかな店内、うるさいゲーム音、まるで宇宙船の中にいるかのような錯覚を覚える。オレにとってゲーセンはそんなところだ。大昔はタバコの匂いが充満してたらしいけど、すっかり分煙が進み、綺麗な社交場となっている。 デ…

サイコプラス(小説版)

04_レベルアップ 朝のたぬき山公園に来るのは久しぶりだ。なにせ散歩は深夜にするものと自分で決めているからだ。ゲーム、SNS、それらは深夜でやるからこそ楽しい。光が強くなればなるほど、また闇も強くなる。昼間のつまらない学校から強くなれば、どんどん…

サイコプラス(小説版)

02_グリーンコンプレックス 「これは」 破壊されたコンクリート、四散する柵、そしてコールタールの焼けた匂いで息が詰まりそうだ。間違いない、ゲームが木を動かしたんだ、でもどうやって?本当にこのゲームが超能力を持っているのか? 「木って動物だった…

サイコプラス(小説版)

01_ゲームスタート 改めてハイ・テクノロジーの進歩を感じる時がある。2122年、トーキョーのタヌキ山公園、人の動きを感知するセンサーが配置され木々たちを美しく照らす。24時間ドローンが公園を監視し、ネットワークに接続されたカメラが侵入者を検知する…